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未来に繋がる香川へ

2012年3月

吉原食糧 株式会社 代表取締役 吉原 良一さん

2012年3月 9日

「私達の食として大切な小麦を守り続けたい」

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今回、お話をお伺いしたのは・・・・
吉原食糧株式会社 代表取締役 吉原 良一さん

さぬきうどんを支える地元の製粉会社として名高い吉原食糧株式会社は、小麦の生産を地元で振興するために様々な取組みを行っている。香川県産小麦『さぬきの夢2000』のプロジェクトにも関わり、最近では、「さぬきの夢」を原料に使った製菓用小麦粉を開発し、話題を呼んでいる。香川県産小麦の普及に大きく貢献する吉原社長にお話を伺った。

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生きるための食だった麦から生まれたうどん

Q:うどんの原料の小麦は香川県の人達にとってどんな存在だったのか?

うどんの原料である麦は、藩政時代から、明治・大正・昭和の終戦にかけては、生きるための食だったんですよ。戦前までは、米は年貢で納めるための農作物だったので、一般の人達は食べることができず、麦を食べていたのです。特に、香川県は、頻繁に干ばつが起きる地域だったので、米を安定して生産することができませんでした。食糧確保のためにも、麦の生産は重要だったのです。そんな麦から作られたうどんは、農村の集まりや催事の時にご馳走として食べられていました。

日常的には、小麦粉を簡単に塩水で練ってゆでて食べたり、石臼でひいて団子にしてお汁に入れて食べたりしてたようです。さぬきうどんは、小麦を食べることで生活を維持してきた農家の人達の暮らしの中から発達した食だと言えますね。

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                      さぬきの夢2000を使って作られた打ち込みうどんはかなり美味♪

主食である小麦を振興したい

Q:うどんの原料の小麦を地元産にこだわるのはなぜ?

作付放棄地の面積は増え続けており、日本の農業の競争力は落ちています。食糧は、総合安全保障の3原則である『食糧・エネルギー・軍事』の1つで、国家の安定のためには不可欠な要素なのに、その多くを海外に頼っているのが現状です。小麦は国家貿易品目ですが、オーストラリア、アメリカ、カナダから輸入していて、年間の570万トンの消費量の内、約480万トンもの小麦を輸入しているんです。

輸入小麦だけでいいではないかという意見もありますが、私はそうは思いません。テロや異常気象など、いろんな問題が世界的に起こっている中で、穀物輸入に過度に依存し続けるのは、不安な一面があります。輸出国は余剰の穀物を国外に販売するため、安心できる食を常に輸入できるかと言ったらそうではないですからね。私達の主食である小麦を、地元の小麦から更に振興していきたいと思っています。

小麦の未知の魅力を

Q:小麦の生産を地元で振興するために、どのような取り組みを?

人の好みがより複雑化し、好みが高度化しています。昔のさぬきうどんは弾力のある噛み応えのあるのが必須条件でした。平成に入ってからは、なめらかで、もちもち性が強く、弾力性のある複合感のある食感が好まれるようになっています。そのため、味や食感、健康に良いなど、付加価値のある商品開発をし続けていかなければいけないと思っています。

小麦はたった一粒でも、健康性やおいしさを追求すれば、未開拓な不思議な世界がまだまだあるんです。昔の人達が味わったであろう、香川県の小麦が持つ未知の魅力を引き出したいと思っています。それを具現化した例として、ハイブリッド小麦やぎゅっとポリフェなどの商品を開発しました。香川は都市型の近郊の農地に比べて、土壌がきれいです。香川の持つ強みを見出して、新しい発想を活かしながら、小麦の新たな魅力を発見していきたいと思います。

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吉原 良一さん

Prof ile
昭和32年2月生まれ。香川県坂出市出身。広島大学工学部卒業。
(株)吉原食糧の代表取締役として小麦粉の企画・開発・経営全般に従事。
香川県産の小麦の開発にも行政や研究機関と協力しながら積極的に携わる。

株式会社 吉原食糧
香川県坂出市林田町4285-152
TEL 0877-47-2030 FAX 0877-47-1910
HP: http://www.flour-net.com/
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