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未来に繋がる香川へ

2012年1月

香川大学経済学部 西成典久先生

2012年1月 5日

「地域の人達がその地域の価値に気づき、次世代に残せるまちづくりをしていきたい。」

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今回、お話をお伺いしたのは・・・・

香川大学経済学部の地域社会システム学科で、まちづくりを実践的に行うゼミを指導する西成典久先生。従来の座学中心の教育ではなく、現場で実践的に地域活性化に携わるプログラムについてお話をお伺いしました。

Q:大学では、どのようなことを教えていますか?

地域社会システム学科のツーリズムコースで、まちづくりについて実践的に教えています。特に、コミュニティの主体作りに積極的に携わっています。例えば、現在、観音寺市大野原町の五郷地区のまちづくりに関わっており、中山間地域にある地域資源をどう保全していくか提案する活動をしています。

五郷では、近年、これまで地区の中心的存在であった五郷小学校が廃校となり、徐々に過疎・高齢化が進んでいます。しかし、中山間地に位置する五郷は、広域的に大切な役割を担っています。大野原と観音寺の平野部を潤す水源地が五郷であり、柞田川を通して水を運んでいるんです。五郷に人が住むことによって、水源地が保全され、安心安全で美味しい食の供給や、渇水や洪水の緩和に繋がるのです。

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                                                                                                                                 Photo taken by Cris Yu

そのため、ゼミの学生達と地元の人達が一緒になって、五郷の資源は何か、五郷の役割は何か、改めて探る取組みをしました。そして、五郷の資源や魅力について探ったものを地域の人達に分かりやすく、魅力的に伝えたいと思い、ルーツブックスの協力を得て、『五郷』という冊子を作りました。

地域の問題を解決する職があれば・・・
Q:まちづくりに携われながら、どのように感じますか?

学生達の卒業後のことが気になります。まちづくりに直接関わる職がほとんど無いので、大学で学んだことが職には繋がりにくいのが実情です。個人や企業を超えた所に地域の問題があるならば、それは公共セクター(公務員や議員)が解決すべき問題と言えますが、現状の仕組みではそれが機能していません。今後は、日本社会全体で新たな仕組みや役割の創出が必要とされています。

また、五郷に学生と一緒に入って活動しながら、学生の存在の大きさを感じています。学生が行くことで、五郷の人達が先生になっていろんなことを教えてくれるのです。私、一人では得られなかった地域の方々とのつながりを、学生が潤滑油になって、繋いでくれました。

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より良い環境作りをしたい

Q:今後は、どのような活動を?

まちづくりの職業を社会に対して創っていきたいですね。私自身、いい環境を後世に残していくために、まちづくりの仕事に奉職していきたいです。私が仕事として行ってきた公共空間の計画や設計、コミュニティの主体作りも、よりよい環境作りに収斂していくのかなと思います。地域を活性化するというけれど、地域にお金が落ちることで良かったということではなく、次世代に残せるような豊かな生活環境を創りたいです。その地域の人達がそこの地域の価値に気づき、外部の人達を含めて大切にするような、そんな取組みをしたいですね。

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西成 典久さん
Prof ile
1978年3月13日生まれ。
東京工業大学大学院 社会理工学研究科 社会工学専攻。
研究テーマは、「地域の複合的問題解決に向けた観光施策の展開
と可能性」、「都市の記憶を活かしたまちづくりに関する研究」、「地域
に根差した良好な景観形成方策に関する研究 」など。

香川大学 経済学部
住所:香川県高松市幸町2-1
Tel: 087-832-1813
Fax: 087-832-1820
URL: http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/
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