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すてきな仕事人『お仕事インタビュー』

協同回収グループ代表 柴田正規さん

2015年9月 7日

資源のリサイクルを主に行い、中古商品の売買を行う有限会社 協同回収。障がい者雇用

に積極的で、2015年に第4回「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」の中小企業基

整備機構四国本部長賞を受賞した。今回は16年前にトラック1台で商売を始め、協同回収

グループ代表の柴田正規さんにお話を伺った。

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インタビュアー:

香川大学 経済学部 岩田和朗

香川大学 法学部 秋山香純

高知工科大学 情報学群 今西裕貴

 

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Q.この事業を始めようと思ったきっかけは何ですか?

-詳しく話すと泣いちゃいますよ!私がね(笑)!僕は貧しい家庭に生まれて、年老いた父と

2人の弟がいる家庭で育ったんです。観音寺商業高校(現観音寺中央高校)を卒業してすぐ

に働き始めました。でもサラリーマンって給料が決まってるでしょ?父が体を壊してしまっ

て、僕の給与では家族を養えなかったんです。それで、現金商売で今から延びていくリサ

イクルの事業を始めたんです。ほんとは、ずっとサラリーマンとしておりたかったけどね(笑)。

会社を辞めてしまうと銀行からの信用を失ってしまうからサラリーマンをしている時に

4tユニック車を買って、そのユニック車1台からスタートしたんです。16年前のことです。

なので、この事業をしたいと思って始めた訳では無いんです。嫌々始めたんですよ(笑)。

 

Q.ここまでやってきて大変だったと思うことはありますか?

-いっぱいあります(笑)。商売を始める前の話を含めるとたくさんありすぎるので、商売を

始めてからの話をしますね。一番大変だったのは、長い時間をかけてやっと取った産業

廃棄物処理業の許可を失ってしまったことですね。やっと許可を取った頃、自分も現場で

トラックを運転していたんです。姫路と高松を行き来していたときに、疲労も溜まっていた

んでしょうね。人身事故を起こしてしまいました。落ち込みましたよ・・・。それでも社員のた

めにまた頑張ろうと思ったんですが、当時の処理業の許可を取り消しになってしまい、産業

廃棄物処理の事業ができなくなったんです。その頃、子供が生まれたばっかりでね。社員も

10名くらいいてやっと軌道に乗ったときだったので、自分はこんなに頑張っているのになん

で!って思いましたね。これが初めての大きな試練でしたね。

 

次にリーマンショックによる資源価格の大暴落も大変でしたね。皆さんが中学生くらいの頃

ですね(笑)。その当時、鉄の価格が10分の1にまで下がったんですよ。価格が上がってい

くのには時間がかかるのに、落ちるときは一瞬なんですよ。最初はV字回復するって言われ

てたけど全然でした・・・。船積みという事業で1億円もの損害を出してしまったんです。この

ときに、この事業だけじゃ相場に左右されるなと思い、それで今のエコリッチっていう中古品を

売買する事業をスタートしたんです。すぐ切り替えができたのは、大暴落する前から準備出

来ていたからです。リアルな人生ゲームをしているみたいですよ(笑)。今もやけど(笑)。

 

Q.障がい者雇用を積極的にしている理由は何ですか?

-ハンディのある方や高齢者の方が辛抱強くこの会社にいてくれたことが大きいんだと思います。

社会的に弱い立場にいる方は今働いている仕事を辞めたら次の仕事があるのかという不安

があると思うんです。この人達がこの会社で長く続けてくれたことが、この事業を続ける環境に

してくれたんだと思っています。それと、今まで自分はハンディがある人より恵まれているから

頑張らなきゃと思っていたんです。でも、これは上から目線でとても恥ずかしいことだと気づい

たんですよ。未熟者だったなって。ハンディのある方の健常者以上の能力をリサイクル事業に

活かしたいと考え、雇用を始めました。現在21名の障がい者の仲間と働いています。

 

Q.障がい者と一緒に働くことに対して難しいことはありますか。またその点へのカバーの仕方

などありますか

-現場では心のハンディがあることが大変と感じることがありますね。自分でやろう、健常者に負

けてたまるかって思える人と、できないのが当たり前、助けてもらえて当たり前って甘える人と、

いろんな人がいるんです。基本的に手伝ってと言われん限り手伝わないことにしています。もち

ろん頼まれたらするけど、前日にしてもらって次の日してもらえなかったらなんで?ってなるからね。

難しいことがあった時の対処法として、母親世代にあたるスタッフに一緒に働いてもらってお互い

にサポートしてもらっています。どんな方でも3年あれば自分で稼ぐことができるようになりますよ。

3年です!3年あればなんとかなるんです。弊社では給料計算も健常者と同じように行ってます。

ハンディのある方で最初は時給でスタートし、そこから月収に代わる人もいますよ。

 

それと大事にしてるのは、過去の本人と比べて成長できたことを認めてあげることです。皆さん

でも、あの人はできとったのにお前はできてない!みたいに言われたら嫌でしょ?(笑)ほかの人

にとっては小さなことでも、ハンディのある人にとっては大きな変化になるんです。その頑張りを

見つけるために4か月に1度私と上司とで三者面談もやっています。

 

それとね、私は世の中は「あいさつの方程式」で成り立ってると思うんですね。自分がした行動・態

度がそのまま自分に返ってきます。自分が小さい声であいさつしたら相手からも小さい声でしか返っ

てこないけど、自分が大きい声であいさつすることで相手からの返事も大きくなる。だからあいさつ

をしてもらうんじゃなくてあいさつをさせてもらう。してもらう人生から、させてもらう人生に切り替える

ことが大事なんですね。子供のままの心の弱い人は、あいさつしてもらって当たり前って考えてるん

ですよ。岩田さん、秋山さん、今西さんはもう切り替えができてると思いますよ!私にはそう見えます(^^)

 

Q.エコリッチのような店舗でも障がい者を雇用している理由は何ですか?

-「高松市障がい者就労の場雇用創出事業」についての公募に応募したところ、おかげさまで第一位で

通過したんです。それから勇気出してやろう!と思ったのがきっかけです。僕自身ハンディのある方っ

ていうのは公の場に出ていくことを嫌がるんではないかなって勝手に思ってたんです。でも、ハンディ

のある方っていうのは健常者と同じように接してもらって、話もしたいし、出会いたいし、友達もいっぱい

増やしたいって思ってるんですよ。そういう場が少ないと思うんです。

 

今は、ハンディを持っている方も健常者も一緒に当たり前に働く時代になってるんですよ。それを私た

ちは事業を通して実現したいんです。そして来ていただいたお客様に何か感じていただいて、最終的に

はお客様が自分のいらないものを処分したり売ったりするときにはエコリッチやEcoとステーションに出

してあげたいな!会社を応援してあげたいな!もっというと儲けさせてあげたいな(笑)!って思ってい

ただける会社にしていきたいなって思っています。

 

Q.地域社会とのかかわりの中で何を大切にしていますか

-仕事とは社会貢献の延長線上にあると思うんです。必要のない仕事は残らないもんですよ。リサイクル

の仕事は特に地域と密着した仕事で社会貢献につながりやすいです。これはありがとうと言ってもらい

やすい地域の方に直結しているので、働きやすいですね。今後も香川県内に絞って、地元の人に愛され

て地元の人に直接お返しのできるようにしていきたいですね。そして経済を回す、一番底辺の役割をして

いきたいと思ってます。

 

Q.リフレッシュはどのような方法でしていますか?

-これよく聞かれるんですけどね・・・。趣味に使える時間がない!(笑)ずーっと仕事してますよ!でも仕事

の延長で人生を楽しむことでリフレッシュしてますね。たとえば出張先で現地のおいしいもの食べるとか。

人からは大変そうだなって思われてますけど、本人は意外と楽しんでやってますからね(笑)

 

 

 

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ここには載せることのできなかったお話もまだまだあり、二時間近く本当に濃いお話を聞くことができた。

どの質問の時にも学生の私たちに対する温かく強いメッセージをいただいた。「私だから社長になれたんじ

ゃない。みんなも、誰だってなることができるんだよ」という言葉も印象に残っている。3人の学生に共通して

「勇気をもらった」という感想が強かった。貴重なお話をありがとうございました。

 

有限会社 協同回収 

住所: 香川県三豊市詫間町詫間2112-167
TEL:  資源リサイクル部門 0120-519410
             エコリッチ                 0120-083414
URL:    http://9410.co.jp/

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