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すてきな仕事人『お仕事インタビュー』

2012年7月

大林農場 大林 浩之さん

2012年7月18日

すてきな仕事人では、生き甲斐を持って仕事をしているステキな仕事人を紹介していきます。

Profile 3.
有限会社 大林農場 代表取締役 大林 浩之 さん 

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「自然の恩恵を受けて生かしてもらっているからこそブタが過ごしやすい環境づくりを大切にしたい」

大林さんは、アメリカで農業経済学について学び、システムエンジニアとして東京で活躍していた。そんな大林さんが家業を継ぐために香川に戻って来たのはなぜだったのだろう。

Q:家業を継ぐきっかけは?

- もともとは、実家ではシブ柿を作っていたんです。10 月に収穫してじっくりと渋を抜いた柿をお正月の珍味として東京の千疋屋に卸していました。しかし、私が小学生の頃、9ケタ農業といって1000万円以上の収入がないとやっていけない時代が来ると言われるようになりました・・。

一方、もともと祖父が幅広く事業を営んでいて、畜産業もその一つで、その当時から黒豚を飼っていたことはいまだに語り草です。父にしてみれば養豚が次の時代の農業に思えたのかも知れません。ちなみに叔父が養鶏を継ぎ、今は従兄弟が継いでいます。

そのため、子どもの頃から動物、特に、ブタは至って身近なものとして育ちました。父が、本格的な近代養豚に踏み出す前、放牧された母豚が山の斜面に巣を造り子育てする様が当たり前でした。ブタは、自分にとってすごく身近な存在で、慣れ親しんでいたことが、いずれは継ごうという考えに繋がったのだと思います。

しかし、最終的に覚悟を決め帰ってきたのは、神明畜産株式会社の高橋社長との出会いも大きかったですね。「緑の牧場から食卓まで」を標榜し、サプライチェーンを築いた今でも我々の根幹は農業であるという信念に敬愛の念を覚えます。

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Q:家業を引継いで感じることは?

- 父は、6年前に他界したのですが、養豚に携わる人達の地位向上を図りたいと、とにかく養豚業のために一所懸命でした。全国養豚経営者協議会(現全国養豚協会)の代表を務めた折には、国家規模での伝染病の対策や撲滅に奔走したり、欧米のブタの優良品種や器具・機材をいち早く取り込んだり・・・。

従業員に、仕事に誇りを持ってもらうために社会保険を整え、山の中の農場内にここはホテルかというような宴会場付きの立派な事務所を建てたりしていました。父が築き上げてくれた礎を大事にしながら、「ブタや、生き物、自然がその能力を発揮することを手助けする」という姿勢を崩さずにブタを育てていきたい、農業をやっていきたいと思っています。
 
Q:工夫している点は?

- ブタの健康度です。それと環境と。ブタを病気から守るためには、抗生物質やワクチンよりもストレスなく育てることが一番なんです。小難しく聞こえる???かも知れないですが、常に健康な状態を保ち免疫力を高め、常に環境を整え汚染度を下げることにより、少々のストレス、季節の変わり目などによる日和見感染(風邪)などはストレスじゃなくなります。

例えば、社内ではコロニーと呼んでいるFRP製の小屋が120個並んでいて、それぞれ20頭ほどの子豚がいます。つまりコロニー全体では常時2000頭以上の子豚を飼っているのですが、20頭くらいずつに小分けしてコロニーで飼うことによって他の小屋や外部からの病気を遮断できるのです。

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また、コロニーごとの20数頭は、産歴の近い2頭の母ブタから生まれた子豚だけをいっしょにします。ブタの免疫力はお乳を通して母ブタからもらっているので、その母ブタのお乳で育てられた子豚の免疫力は揃っていて、2頭の母ブタの産歴を揃えることでコロニー毎の子豚の免疫力を揃えることができます。

すると免疫力と汚染度の間でバランスが保てます。さらに、同じ親を持つブタを同じコロニーに入れた方が、ブタどうしの喧嘩も少なくストレスも少なくなります。それらが相まって、ブタのストレスの軽減になり、ブタの健康づくりに繋がるのです。

Q:今後取り組みたいことは?

- こだわりを持ってブタ肉を生産していますので、銘柄豚、加工品を作っていきたいのは必定です。香川県が力を入れているハマチや牛に続いて、オリーブポーク!やりたいですね。 また、今後は、食育にも取り組みたいですね。私達人間は、他の生き物から栄養をいただきながら生かしてもらっていますから。私達の口に入る食材についてきちんとした知識を持ち、理解してもらえるような取り組みは大事だと思います。さらに、環境問題、これは地域の問題として、バイオマス飼料米等々、やりたいこと一杯です(笑)

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大林 浩之 さん (おおばやし ひろゆき)

昭和40年8月11日生まれ。綾川町出身。
高松高校卒業後、京都大学農学部に進学し、アメリカの
アイオワ州立大学大学院で農業経済学について学ぶ。
帰国後は、三井造船株式会社のシステム部門でシステム
エンジニアとして従事。香川に戻り家業を継いで、現職。

有限会社 大林農場
住所: 香川県綾歌郡綾川町滝宮2864
TEL:087-876-0158、 FAX:087-876-0157
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